事件ファイル011 / 未解決事件

八王子スーパー・ナンペイ三人射殺事件

夏祭りの夜、外階段の先で日常が断ち切られた。

1995年7月30日午後9時15分ごろ、東京都八王子市大和田町のスーパー「ナンペイ大和田店」2階事務所で、女性従業員3人が拳銃で殺害された。警視庁はいまも「大和田町スーパー事務所内けん銃使用強盗殺人事件」として情報提供を求めている。

発生:1995年7月30日(日)午後9時15分ごろ 場所:東京都八王子市大和田町4丁目26番1号 被害:女性従業員3人死亡 状態:未解決・公開捜査中

概要

この事件が深く残るのは、特別な場所で起きたからではない。郊外のスーパー、閉店後の事務所、外階段、買い物客、夏祭りの帰り道。どこにでもある日常の形をした場所に、拳銃という異物が入り込んだ。

警視庁の公式発表では、事件は1995年7月30日午後9時15分ごろ、スーパー「ナンペイ大和田店」2階事務所内で発生した。無抵抗だった女性従業員3人が拳銃で殺害され、犯人は現在も逃亡中である。現場近くの北の原公園ではその夜、午後6時から盆踊りが開かれ、午後9時6分ごろに終わっていた。

確認済み発生は1995年7月30日午後9時15分ごろ。
確認済み現場は八王子市大和田町4丁目26番1号、ナンペイ大和田店2階事務所。
確認済み被害者はアルバイトの女子高校生2人とパート女性1人、計3人。
未解明犯人、動機、単独犯か複数犯か、金銭目的か別の動機かは確定していない。
編集方針 このページは警視庁の公開情報を中心に、報道機関が公表した追加情報を「報道された情報」として区別して扱う。私人を根拠なく犯人扱いせず、故人や関係者を断定的に疑わない。
スーパー2階事務所へ続く外階段のイメージ
外階段。1階の売り場と2階事務所は、客の流れとは異なる動線でつながっていた。

確認済みの骨格

正式な事件名は「大和田町スーパー事務所内けん銃使用強盗殺人事件」である。一般には「八王子スーパー強盗殺人事件」「スーパーナンペイ事件」と呼ばれる。警視庁の公開ページは2026年3月25日に更新され、現場付近を再現した3D動画、犯人が履いていた可能性のある靴、最後に買い物をしたカップルなど、複数の情報提供項目を掲げている。

現場はJR八王子駅の北東約2,000メートル、JR八高線北八王子駅の西南西約750メートル。西には八王子バイパス、南には国道20号線があり、住宅と工場が混在する地域だった。店舗は1階、事務所は2階。警視庁は「2階へ行くには外階段を使います」と説明している。

事件の舞台は「どこにでもある店」だった。だからこそ、30年たっても町の記憶から消えない。
八王子市大和田町周辺地図のイメージ
大和田町。現場は八王子駅、北八王子駅、幹線道路、住宅地、工場地帯の間にあった。

1995年7月30日、夏の普通の夜

警視庁は、事件当日を「とても暑い日」と記している。近くの北の原公園では午後6時から盆踊りが開催され、午後9時6分ごろ終了した。事件発生はその約9分後とされる。提灯、音楽、家族連れ、子どもの声。地域の夜がほどけていく時間に、店の2階事務所では取り返しのつかないことが起きていた。

警視庁の公開ページは、1995年という年を阪神・淡路大震災、地下鉄サリン事件、Windows95の発売と並べて記録している。社会が揺れ、都市の安全感覚が変わった年。その夏、八王子の小さなスーパーでも、安全という前提が破られた。

八王子の夏祭りと盆踊りのイメージ
盆踊りの夜。事件は、町がまだ夏の明るさを残していた時間に起きた。

最小時系列

未解決事件では、細部ほど魅力的に語られやすい。だからこそ、まず公的情報で固定できる線を引く。

1995.07.30
18:00
北の原公園で盆踊り開始
警視庁は、現場近くの北の原公園で盆踊りが午後6時から開かれていたと記録している。
20:56
最後の客とされる男女
警視庁は、午後8時56分に精算し、白色セダン型車に乗ったとされる男女の情報提供を求めている。
21:06頃
盆踊り終了
公園の盆踊りは午後9時6分ごろに終了したとされる。
21:15頃
事件発生
ナンペイ大和田店2階事務所内で、女性従業員3人が拳銃で殺害された。
2010
公訴時効制度の改正
人を死亡させた重大犯罪の一部について公訴時効が廃止された。事件は「古い事件」でも「終わった事件」ではなくなった。
2025-2026
30年目の公開捜査
再現模型、新ポスター、動画、公式ページ更新により、情報提供の呼びかけが続く。
1995年7月30日から30年の記憶を表現した画像
30年。時間は過ぎたが、事件は現在形のまま残っている。

靴跡、最後の客、粘着テープ

靴跡

警視庁は2018年、現場に残された靴跡に該当するスニーカーが2種類あると公表した。どちらもサイズは26センチで、真新しいものではなく、ある程度履き込まれていたという。A社のスニーカーは平成2年から3年ごろ、主に丸井各店舗で販売され、東京・神奈川・埼玉の丸井およびアメリカ屋靴店21店舗で439足が販売された。B社のスニーカーは平成5年から6年ごろ、主にPARCOと丸井で販売され、都内9店舗19足、全国49店舗94足が販売された。

最後の客

警視庁は、午後8時56分に精算を済ませて駐車場へ向かい、白色セダン型の車に乗ったとされる男女を捜している。購入品は青果、モヤシ、お好み焼き、焼きそば、ハムなど7点で、税込み合計1,754円。警視庁は、この男女が犯人を目撃している可能性があるとしている。

指紋報道

2015年には、テレビ朝日が粘着テープから採取された指紋の一部が、死亡した日本人男性の指紋と「ほぼ一致」したと報じた。ただし、報道された段階で警察がその人物を逮捕・送検・起訴したわけではない。SHIMBUNでは、これを「報道された捜査上の動き」として記録し、犯人断定には使わない。

捜査資料と証拠品のイメージ
証拠は語るが、断定しない。未解決事件では、証拠と推測を混ぜないことが最初の倫理である。

30年目の公開捜査

2025年7月、事件発生から30年を迎えるのを前に、警視庁は現場を再現した模型や新たなポスターを公開した。テレビ朝日は、事件に延べ約22万6000人の捜査員が投入されたものの、未解決のままであると報じた。JR八王子駅などで情報提供を呼びかける動画も流された。

警視庁の公式ページでは、捜査特別報奨金の上限300万円と、事件の捜査に協力する会による懸賞金上限300万円、合計上限600万円の範囲で、検挙等への寄与度に応じて支払われると説明している。期間は令和7年7月30日から令和8年7月29日まで。問い合わせ先は、警視庁八王子警察署・大和田町スーパー事務所内けん銃使用強盗殺人事件特別捜査本部、電話042-621-0110である。

情報提供を呼びかける掲示と献花のイメージ
「どんな些細なことでも」。30年前の一枚の写真、一台の車、ひとつの会話が、今の捜査につながる可能性がある。

未解明の核心

この事件の空白は、単に犯人の名前が分からないというだけではない。誰が閉店後の2階事務所に入り、なぜ無抵抗の3人を殺害したのか。金銭目的だったのか、別の動機があったのか。単独犯だったのか、外に協力者がいたのか。現場に残された靴跡、テープ、目撃情報、最後の客、花火大会後の来店者、通行者の記憶は、まだ一本の線になっていない。

それでも、事件は消えていない。警視庁が公式ページを更新し、八王子市が協力依頼を掲げ、報道機関が30年目の節目を伝えるのは、事件がまだ社会の現在形にあるからである。

未解決事件とは、犯人が捕まっていない事件というだけではない。社会が、まだ終わらせてはいけない事件でもある。
未解決事件ファイルを確認する捜査員のイメージ
古いファイルは過去のものではない。情報提供を待つ現在形の記録である。

情報提供先

警視庁八王子警察署
大和田町スーパー事務所内けん銃使用強盗殺人事件特別捜査本部
電話:042-621-0110(代表)

緊急の事件・事故は110番。相談は警察相談専用電話 #9110。事件に関する情報は、警視庁八王子警察署の特別捜査本部へ。

出典と更新方針

本ページは、警視庁の公式公開捜査ページ、警視庁の靴情報ページ、八王子市の協力依頼、報道機関の30年目記事・指紋報道などを参照し、確認済み事実、報道された情報、未解明部分を分けて記録する。

記録する / 断定しない / 風化させない